楽に立てる寸法は60cm
こんにちは、友井です。
6月に入り、ようやく気温も上がってきて、
気持ちのいい天気の日が続いています。
6月と言えば、衣替えの季節ですが、
当社には、もうすでに半袖の社員もいます(笑)。
引き続き、バリアフリーの基礎知識のお話をお伝えしていきます。
今回からは、
「水まわりのバリアフリー トイレ編」
を3回にわたってお伝えいたします。
(日経ホームビルダー2008.3参照)
使いやすいトイレを実現するためには、
空間の寸法が重要な要素になります。
空間の大きさに合わせて、
便器の選び方や配置を考える必要があります。
第1回目は、「楽に立てる寸法は60cm」をお伝えいたします。
若くて健康な時には気づきにくいことの1つに、
便器まわりでの立ち座りがあります。
高齢者などの力の入れにくい方は、
様式の腰かけ便器から立ち上がる時に
大きく前傾しやすいのです。
便器の前方に空間の余裕がないと、
すんなりと立ち上がれず
壁に頭をぶつけてしまいます。
「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品格法)の
住宅性能表示における「高齢者への配慮」の等級3以上では、
便器と前面壁との距離の目安が
50cm以上とされています。
しかし、
楽に立ち上がるために深く前傾すること、
身づくろいすることを考えると、
余裕をみて、60cm以上距離をあけたほうが使い勝手がいいと思います。
便器の前方に60cm以上のスペースを確保するには、
一般的な大きさの洋式便器を設置する場合、
トイレの長辺寸法は1400mm弱必要です。
タンクレス便器を設置する場合は、
1250~1300mm程度はみておく必要があります。
注意しなくてはいけないのは、
和式便器から洋式の腰掛け便器に改修する場合です。
既存の和式トイレの大きさは、
狭い場合で約800×1100mm。
一般的な大きさの腰掛便器だと、
前方の空きスペースが足りません。
奥行きが630mm程度のコンパクトタイプや、
角度を45度振って配置するタイプの便器を選ぶ必要があります。
しかし実際には、
こうした点を配慮せずに便器を選択してしまうケースも少なくありません。
和式からの改修の際、
便器だけを取り換えればいいと考えるのは間違いです。
便器を使う空間の大きさを考慮に入れて、
機器を選ぶことが大切です。
野島建設でリフォームを行う際には、
こういった点にも気を配って、アドバイスさせていただいてます。
次回のブログは、
「手洗い器の分離も有効」
をお伝えいたします。
水まわりリフォームのご参考になればうれしいです。
友井
TrackBack URI : https://blog.nojima-k.jp/wp-trackback.php?p=188
Comments (0)