地震に強い建物をつくるには
こんにちは、友井です。
連日の報道により皆様もご存じでしょうが、
ニュージーランド南島、クライストチャーチ市で
大規模地震が発生しました。
震源地が浅く、
直下型であったため、
多くの建物が倒壊しました。
大規模地震が起こるたびに、
建物の強度不足について指摘があります。
今回の地震でも、
倒壊した建物は強度不足が原因であると言われています。
地震に強い建物をつくるには、何が必要なのでしょうか?
木造建築物で、柱や梁が太い建物は耐震性が高いと言われますが、
これは正しくありません。
伝統工法や木骨ラーメン構造でない限り、
柱や梁の太さは、ほとんど耐震性に関係ありません。
一般の木造建築物(木造軸組工法・枠組壁工法)では、
耐力壁(耐震壁)の量や配置のバランス、
各部材を金物で正しく緊結されていることで、耐震性を高めます。
柱や梁は、建物自身の重さ(垂直荷重)を受けるのに対して、
耐力壁は、地震や風などの横からの力(水平荷重)に抵抗します。
耐力壁とは、
軸組み(土台、柱、梁)に、
筋交い(すじかい)や構造用合板などのボード類を
金物でしっかりと固定した壁のことです。
ニュージーランド地震で倒壊してしまったCTVビルも、
耐力壁で囲まれたエレベーター部分は倒壊しませんでした。
しかし、いくら耐力壁があっても
バランスが悪いとその力を発揮できません。
構造的に強い部分(この場合エレベーターのあった部分)を中心に、
弱い部分が大きく振られることにより、
建物がねじれ倒壊につながりました。
地震に対しては、
耐力壁の量とバランスが重要になります。
ニュージーランドでは、
今も懸命の救助活動が続けられています。
一人でも多くの方が救出されるよう願っております。
そして、
将来起こるであろう地震に対して、
少しでも被害が少なくなるよう
微力ながらこの仕事を通じて、
建物の耐震化に貢献できればと思います。
友井 裕介