遮熱、断熱効果のある窓ガラス
こんにちは、友井です。
梅雨明けした途端に、猛暑日が続いていますね。
毎年この時期になると、
熱中症のニュースをよく耳にします。
屋外のみならず、
室内で熱中症にかかるケースも多いそうです。
こまめに水分とミネラルの補給をすることで
予防になりますので、
外で仕事をされている方も、
デスクワークをされている方も
気を付けてくださいね。
さて、前回のブログで、
体感温度の話をしましたが、
それに関連して、
遮熱、断熱効果のあるガラスについてお話したいと思います。
住宅において「窓」は、
外部の空気を取り入れる、
光を取り入れる、
景色を切り取るなど様々な役割があります。
ただ、断熱材の入る壁部分とは違い、
ガラスだけで外部とつながっているので
熱の出入りが大きな部分となります。
そこで、1980年代後半に、
遮熱・断熱性のある窓ガラスが登場しました。
Low-Eガラスの「Low-E」は、
Low Emissivityの略です。
翻訳すると「低放射」という意味で、
一般的な1枚ガラスが放射率0.85程度なのに対し、
Low-Eガラスは放射率が0.1以下になります。
この放射率が低ければ低いほど赤外線を反射させ、
熱を通さず、遮熱・断熱性が高いガラスととなるわけです。
このLow-Eガラスは、
ガラス面に金属膜をコーティングすることでつくられます。
金属膜といっても、薄く色が付く程度のコーティングです。
Low-Eガラスは紫外線も反射させるため、
畳や家具の日焼けを防ぐ効果もあります。
ちなみに、
夏の西日が暑いのは、遠赤外線を多く含んでいるからと言われています。
遠赤外線は、冬は体を芯から温めてくれてありがたいのですが、
夏場は迷惑このうえなし。
そこで、遠赤外線を反射させるLow-Eガラスが効果的になるわけです。
ここで、遮熱と断熱について説明します。
太陽や地面からの照り返しなど、
外から家の中に入ろうとする熱を遮断するのが、遮熱です。
これに対し、断熱は
冬場、暖房で温めた室内の熱が外に伝わらないようにすることを指します。
この遮熱と断熱は、
ペアガラスのどの面に金属膜をコーティングするかで使い分けることができます。
例えば、ペアガラスの室外側ガラスの内面に金属膜をコーティングすると
外の熱が室内に伝わりにくくなります(=遮熱)。
一方、同じペアガラスの室内側ガラスの外側面に金属膜をコーティングすると、
室内の熱が外に奪われることを防ぎやすくなります(=断熱)。
以上を踏まえ、日当たりのよい南側の窓は断熱仕様にし、
夕日の暑さが厳しい西側の窓は遮熱仕様にする
といった使い分けを考えるのも一つの方法です。
南側の窓を断熱仕様にすれば、
冬場に日差しの暖かさを家の中に取り入れることができます。
夏の強い日差しは、庇やカーテンで防げばよい、
という考え方です。
普通のガラスと比べると、
透明度が低い・高価であるというデメリットもありますが、
冷暖房費の削減につながるLow-Eガラスをご検討してみてはいかがでしょうか。
当社展示場でも、実物を見ることができますよ。
友井 裕介