2010/6/3 木曜日

楽に立てる寸法は60cm

こんにちは、友井です。

6月に入り、ようやく気温も上がってきて、

気持ちのいい天気の日が続いています。

6月と言えば、衣替えの季節ですが、

当社には、もうすでに半袖の社員もいます(笑)。 

 

引き続き、バリアフリーの基礎知識のお話をお伝えしていきます。  

今回からは、

「水まわりのバリアフリー トイレ編」

を3回にわたってお伝えいたします。

(日経ホームビルダー2008.3参照)

 

使いやすいトイレを実現するためには、

空間の寸法が重要な要素になります。

空間の大きさに合わせて、

便器の選び方や配置を考える必要があります

 

第1回目は、「楽に立てる寸法は60cm」をお伝えいたします。

toilet_01_s.jpg

 

若くて健康な時には気づきにくいことの1つに、

便器まわりでの立ち座りがあります。

高齢者などの力の入れにくい方は、

様式の腰かけ便器から立ち上がる時に

大きく前傾しやすいのです。

便器の前方に空間の余裕がないと、

すんなりと立ち上がれず

壁に頭をぶつけてしまいます。

 

「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品格法)の

住宅性能表示における「高齢者への配慮」の等級3以上では、

便器と前面壁との距離の目安が

50cm以上とされています。

 

しかし、

楽に立ち上がるために深く前傾すること、

身づくろいすることを考えると、

余裕をみて、60cm以上距離をあけたほうが使い勝手がいいと思います。

 

便器の前方に60cm以上のスペースを確保するには、 

一般的な大きさの洋式便器を設置する場合、

トイレの長辺寸法は1400mm弱必要です。

タンクレス便器を設置する場合は、

1250~1300mm程度はみておく必要があります。

 

注意しなくてはいけないのは、 

和式便器から洋式の腰掛け便器に改修する場合です。

既存の和式トイレの大きさは、

狭い場合で約800×1100mm。

一般的な大きさの腰掛便器だと、

前方の空きスペースが足りません。

奥行きが630mm程度のコンパクトタイプや、

角度を45度振って配置するタイプの便器を選ぶ必要があります

 

しかし実際には、

こうした点を配慮せずに便器を選択してしまうケースも少なくありません。

和式からの改修の際、

便器だけを取り換えればいいと考えるのは間違いです。

便器を使う空間の大きさを考慮に入れて、

機器を選ぶことが大切です。

野島建設でリフォームを行う際には、

こういった点にも気を配って、アドバイスさせていただいてます。 

 

次回のブログは、

「手洗い器の分離も有効」

をお伝えいたします。

水まわりリフォームのご参考になればうれしいです。

.jpg友井

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